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2025.01.06

#03 明成法務15周年インタビュー|副代表×第二業務部 「人の心を動かすための言葉とは?」

司法書士にとってスタンダードな業務でありながら、簡単にはいかない相続相談。
家族の数だけ存在する問題を、いかに解決へと導いていくか。
明成の創業メンバー2人と補助者が語り合います。

副代表 司法書士
山東 正彦

2010年入社
第二業務部 部長
行政書士
青木 昭憲

2017年入社
第二業務部 課長
宮崎 文子

2021年入社
第二業務部 主任
泉谷 友美恵

相続相談は人生相談

明成が担う業務は、実に多種多様です。その中でも、私たち第二業務部の専門である相続相談は、司法書士、行政書士にとってのスタンダードな業務でありながら、ちょっと特殊なスキルが求められるような気がしますね。

言ってしまえば、人生相談に近いですから。それも、ただ聞けばいいというわけではなく、しっかり解決まで持っていかなくてはならない。知識はもちろん、それ以上に問題解決力と説得力が問われる業務だと思っています。

山東先生は、普段から話し合いをまとめるのがお上手ですよね。意見が噛み合わない会議でも、最後は山東先生がみんなが納得できる着地点に持っていってくれます。だから、お客様との面談の際、どんな話し方をして、どう結論に導いていかれるのか、とても興味があります。

あまり意識していませんけどね。電話の問い合わせまで含めると、今まで1万件以上の相談を受けているので、自然と応えられるようになったような。

そうはいっても現実に、リピートのお客様も増えていますよね。個人のお客様を対象とする相続相談の場合、明成を選んでいただけるかどうかは、やっぱり面談を担当されている山東先生と青木さん、このお二人に寄せられる信頼に依るところが大きいと思います。

私もそう思います。なので、私たちはお二人の顔を潰さないよう、粛々と手続きを進めています。

歩んできた人生が言葉に宿る

先ほど人生相談と言いましたが、相続問題はご家族の問題であり、お金の問題でもあるんです。悩んでいなければ、割とスムーズに事は運びますが、そうでない場合も多々あります。
たとえば、ご遺産が現金であれば、きれいに分けることもできますが、土地や建物のような不動産しかお持ちでない場合もある。あるいは、ご子息が複数人いて、長男は老後の面倒を見てくれたけど、二男は最期まで知らぬ存ぜぬだったから遺したくない、といったケースもあります。ご家族の数だけ解があり、その解も条件によって流動していくのが、この仕事の難しいところです。

そのとおりですね。司法書士、行政書士としての意見と、いち一般の方としての意見、両方をお伝えすることもあります。「立場上、こちらをおすすめしますが、私個人だったらこちらを選択するかもしれません」といった感じでお話しすると、ストンと納得されることもありますから。

そのためにも、私たち司法書士は、それなりに人生経験を積んでいないと言葉に説得力が出ないんですよ。仮に私が独り身で、悩みとは無縁の人生を歩んでいたとしたら、多分、相手の方の心に何かを残すのは難しくなるでしょう。

悩まれてきたんですね(笑)。

はい、今も。

お客様からお預かりした遺言書を読んでいると、山東先生がおっしゃられたように、歩んできた人生が言葉に表れることを実感します。本来、私たちは遺言書に書かれている事実のみを拾う仕事ではありますが、文面からご家族に対する愛情の深さに触れると、涙がこぼれそうになります。

泣けますよね。皆さん、そういう優しい心の持ち主だと知っているから、私たちも安心してバトンを託すことができるんです。だから、お客様に選んでいただけるかどうかは、最初の相談窓口である私たちだけの力ではなく、豊富な実務経験とお客様への思いやりを持つ補助者の皆さん、この両輪がそろってこそだと思います。

15年の歩みで得られたものとは?

代表の髙槗と二人で明成を立ち上げてから15年。私個人としては、こうして気の良いメンバーと出逢えたことが、一番の成功だったと思っています。仮に、今よりお金があったとしても、みんなと出逢えていなかったら、明成を立ち上げた意味なんてなかった。今は素直にそう思います。私たちに巻き込まれる形で、仲間に入れられた青木さんはどう思っているのか知りませんが(笑)。

前職では後輩だった山東先生からファミレスに呼び出された日のことをよく覚えていますよ。当時、新聞配達のアルバイトをしながら税理士を目指していた私に「うちに来なよ」と。そうして明成の三人目のメンバーに仮でなったわけですが、入って間もなく、山東先生は海外旅行へ、髙槗代表は緊急入院、事務所で私は一人きり。あのときの心細さたるや(笑)。
それから三人で地方の相談会に出かけたり、時には言い合いになったり、なんだかんだで楽しい思い出ばかりです。だから巻き込まれたなんて全然思っていなくて、むしろ私を誘ってくれた二人には感謝しているくらいです。

それを聞いて安心しました。

この山東という人物、昔から飄々としていて底が見えないところはありますが、髙槗と山東、この二人が揃ってこその明成なんです。たとえるなら、髙槗がアクセルで、山東はブレーキ。行けそうなときはとことん突っ走って、危険を感じれば徐々にスピードを緩めていく。この名コンビがトップを務めているから、みんな安心して同乗していけるんだと思いますよ。

ブレーキが錆び付かないよう、これからも頑張ります(笑)。