COLUMN
2025.01.06
#01 明成法務15周年インタビュー|代表×初期メンバー 「司法書士の仕事の本質とは?」

開業以来、明成は業務品質を第一に考えてきました。
その礎を築き、体系化していくまでの歩みを、3人の司法書士の語り合いから紐解いていきます。

代表司法書士
髙槗 遼太

2013年入社
法務監査部 部長
司法書士
西川 由香

2015年入社
埼玉本部長
司法書士 特定行政書士
杉田 真友
何よりも優先すべきは業務品質
髙槗
明成を開業してから15年、私は一貫して業務品質を第一に考えてきました。その礎を築いてくれたのが西川さんであり、杉田さんはその後継者として、今の明成の業務品質を守ってくれている人物だと思っています。特に西川さんとは、開業前からの付き合いでもありますので、こうして15周年を共に迎えられたことが感慨深いです。
西川
私がまだ研修生だった頃、合格同期の中で一番若かったのが髙槗先生でした。今と同じように人の輪の中心にいて、相手が年上だろうとオープンに話しかけてくる。そういう人柄はまったく変わっていません。司法書士としてお互い別々の道を歩み始めた後も、事あるたびに電話をかけてきてくれて「こういう案件はどう対応すべきだと思う?」「開業しようと思っている」とか、よく相談をしてくれました。

髙槗
西川さんは研修生時代から突出して優秀だったんですよ。課題が出されたとき、周りはそこまで真剣に取り組まない人が多い中、西川さんだけは参考書レベルのクオリティでレポートを仕上げてくる。だから開業後、どうにかうちに入ってもらえないかと、様子をうかがっていた節もあるんです(笑)。
杉田
司法書士としても経営者としても、ずば抜けた才能をお持ちの髙槗先生と、実務のプロフェッショナルである西川先生。このお二人がタッグを組んだのは明成の歩みの中で歴史的瞬間のような気がしますね。
西川
それも何気ない電話からでしたよね。以前の事務所で勤めていた頃、仕事に疲れ果て、しばらく休もうと思っていた矢先、髙槗先生から電話をもらって「うちはそんなに忙しくないから来る?」と。それならばと安心して入社してみたら、年数を重ねるうちにどんどん業務量が増えていって。聞いていた話と違う!と思いました(笑)。
杉田
西川先生が入社してくれたから、髙槗先生は営業に本腰を入れられるようになったということですよね。
髙槗
そのとおりです。西川さんは人の3倍できる人だから。それまでの私は、一から十まで完全に人に仕事を任せることがどうしてもできなかった。他の人が70点、80点レベルで仕上げた仕事を最後は自分で100点まで持っていく。ところが、西川さんに任せるとどんな仕事でも120点。自分以上の品質を保ち続けてくれるわけですから、お客様からの信頼も高まりますし、私もより積極的にお客様と関わっていくことができました。
西川
そんなことないです。そうやって口車に乗せられてきたから、私は今もここにいるわけです(笑)。

髙槗
全部本当のことですよ。過去に一度、登記官さえ見逃したミスを指摘したことがあったじゃないですか。西川さんがいなかったらと思うとゾッとしますよ。
杉田
普通、スピードを上げれば品質はどうしても落ちてしまうものですよね。でも、西川先生に限ってはどちらも完璧。その仕事に対する姿勢は一体いつ身につけたものなのですか?
司法書士が追求すべきもの
西川
司法書士になって最初に勤めた事務所の所長に叩き込まれたんです。この仕事の本質はサービス業だと。お客様は、最初から最後まで司法書士が何をやっているのか分からない。だから、最終的にお渡しする納品物が完璧でなくては司法書士に依頼した意味がなくなってしまう。その教えが、脳裏に刻まれているんです。もちろん、スピードもサービスの重要な要素の一つですから、常に最善を尽くすよう努めてきたつもりです。
髙槗
心の底から共感します。そのサービスという感覚が、私と完全に一致していたんですよね。実は、業務量が急激に増えて所内が少し混乱していた時期に、ある経営者仲間がこんなことを言ってくれたんです。「髙槗先生と同じ目線で仕事と向き合っているのは西川先生だけですよ」。本当にそのとおりだと思い、以来、西川さんにフルベットです(笑)。とはいえ、次第に西川さん一人では対応できない業務量になってくる。そうなると、チームとして、組織としていかに業務品質を保っていけるかが課題となってくるわけです。
杉田
私が入社したのは、ちょうどその頃だと思います。新人時代、お二人が求める品質基準の高さに何度挫折しかけたことか。ただ、他社を知らないので、明成のスタンダードが一般的な司法書士事務所のスタンダードだと思い込んでいました。本当は全然違うのに(笑)。実は今も、判断に迷ったとき、明成のデータベースに蓄積されている西川先生の資料を参考にさせていただくことがあるんです。その完璧過ぎる仕事に触れるたび、自分の能力の足りなさを突きつけられる気分になります。

西川
何を言っているんですか。杉田先生は昔から自分の実力を低く見積もる癖があるんですよ。司法書士としての能力は充分過ぎるくらい高いのに。
髙槗
本当にそう。そして絶対に周りの人や環境のせいにしない、究極の自責系男子。今では埼玉本部長としてマネジメントにも携わってくれていますし、司法書士会の役員まで務められている。はっきり言ってどこでも通用する司法書士です。
私たちの未来、明成のこれから
杉田
私、司法書士試験に6回挑戦して、ようやく合格できたのですが、5回落ちて良かったと最近よく思います。それは髙槗先生と西川先生と出会い、お二人のもとで新人時代を過ごせたから。明成に入っていなかったら、仕事の有り難みも本質も理解しないまま、なんとなく独立して、痛い目に遭っていたはずです。
髙槗
それは私のセリフですよ。西川さん、杉田さん含め明成にきてくれたすべての仲間たち、そして関係各所の皆様とお客様。一つ一つの出会いが折り重なったうえに、今の明成があります。去っていった仲間たちも含め、誰か一人でも欠けていたらこんな奇跡は起きなかった。目の前にある当たり前が、どれほど「有り難い」ことか。15周年を迎えて、込み上げてくる想いは感謝のひと言に尽きます。
西川
私も同じ想いです。髙槗先生は、開業から今に至るまで15年間、後ろを振り返らずに突っ走ってきたと思いますが、ここらで一度立ち止まってみるのもいいかもしれませんね。性格的に難しいとは思いますが(笑)。私は私なりの恩返しの形として、次の5年、10年に向け、後進の育成に力を入れていきたいと思っています。

杉田
採用面接時、髙槗先生から「なんでもやっていい」と言われました。その言葉のとおり、これまでさまざまな業務に挑戦させていただきましたが、ここから先は、もう少し視野を広げて、たとえば、司法書士業界や地域社会のために、力を尽くしてみたい。今、そんなことを考えています。
髙槗
本音をいえば、ここから先の明成は、みんながやりたいことに自由にチャレンジできる場にしたいと思っているんですよ。ただ、人にはそれぞれの価値観がありますから、誰かの挑戦をサポートする立場でもいい。私が、お二人や他のみんなと出会ったことで今の明成が築かれていったように、縁と縁が結びつけば、新しい価値が生まれると本気で思っています。これから先、一人ひとりの想いの上で明成がどんな組織に変わっていくか。みんなで楽しみながら新しい未来を築けていけたらいいと思っています。